著作権案内(7)
制作物の無断使用によるトラブル事例
(八坂神社祇園祭ポスター事件)
ポスターの制作を発注する場合、
(1)発注者に著作権に関する知識を有するとされる場合があること
(2)著作物を使用するに際には,著作権の使用許諾の有無を確認の義務
(3)著作権を侵害しないようにすべき注意義務
(4)創作者などの著作者に対して直接確認するなどの注意義務
(5)これらの義務を怠ったため過失がある。
とされた事例です。
この事例のほか、教材の制作を発注についての事例があります。
事件の概要
アマチュア写真家が八坂神社から撮影許可を受けて撮影した祇園祭の写真の製版印刷を印刷会社に依頼しました。
印刷会社は祇園祭の写真ポスターを制作する際、写真家の許諾なくその写真を使用してポスターを制作し、八坂神社が使用していました。
写真家の抗議があったので、印刷会社は写真家の許諾なくその写真を水彩画にしてポスターを制作し、八坂神社がそのポスターを使用していたところ、写真家が印刷会社と八坂神社に損害賠償請求をしました。
判決内容
1 印刷会社は、
写真家から水彩画の制作や写真ポスターでの
写真の使用許諾を得ていない。
2 印刷会社は、
水彩画の制作は写真の翻案権(脚色などをする権利)を侵害する(写真家
に無断で脚色などをした)。
3 印刷会社は、
写真ポスターの制作は写真の複製権を侵害する。
4 八坂神社は、写真家の使用許諾を得ていない。
5 制作された写真ポスターに写真家の氏名が表示されていないので、
氏名表示権を侵害し、
水彩画のポスターへの掲載は
同一性保持権の侵害(写真家に無断で作品を作り変えた)となる。
6 祇園祭のポスターの制作の発注元である八坂神社は、
① 重要文化財、著作物その他文化的所産を取り扱う立場にある者で、
② 著作権に関する知識を有する者であるから、
③ 著作物を使用するに際には,著作権の使用許諾の有無を確認するな
どして、著作権を侵害しないようにすべき注意義務があり、
④ 著作者(写真家)に対して直接確認するなどの注意義務があり、
それを怠ったため過失がある。
7 写真家の印刷会社と八坂神社(ポスターの発注元)の両者に対する損害賠
償請求が認められました。
お問い合わせ
行政書士事務所 Venture Assis
ベンチャーアシスト
行政書士 岡 洋 二 岡山県倉敷市児島小川2丁目5番10号
Tel&Fax 086-474-8248